保護主ママより
※病状の記録写真【閲覧注意】は手記の下にあります。スクロールください。
皆さま、こんにちは。ユキの保護主の今野と申します。
たくさんの方がユキを応援してくださっているとのこと、本当にありがとうございます。
遅くなりましたが改めてこれまでの経緯をお伝えしたく、筆をとりました。少し長くなりますが、一読していただき、引き続きユキの回復と成長を応援してくださるとうれしいです。
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ユキを見つけたのは、昨年12月29日の早朝。気温はマイナス1度でした。
小さな小さな真っ白な子猫は民家と民家の間のコンクリートの上に倒れていました。
えっ…これは…
すでに冷たくなっている…?…の?と触れてみます。
!!息してる!
私はガタガタ震えながらバスタオルとキャリーを取りに家に走るのでした。
とても冷たい、温めながら急ぎ病院へ。
診察の結果、体温は測れないくらい低く、血液検査の数値が悪い、年は越せないだろうとのこと。
点滴と抗生物質の注射をしてもらいました。
家に連れ帰り温め、スポイトで水を飲ませたら少し飲みました。
12/30 諦めきれず別の病院へ。
尿が出せていないようで、導尿とエコー検査をしてもらいました。
膀胱に何かあるようだ。おしりが腫れて色がおかしい、腸に異常があるかも。
ここでもまた、年は越せないだろうとのこと。
確かに素人が触っても胸や腹がボコんと腫れています。
炎症をおさえる注射が効いたのか、少し頭を動かすようになりました。
12/31 少しずつ水を飲ませます。仔猫の意識は朦朧としていて、時々正気に戻り親を呼んでいるのか声を振り絞って鳴きます。
大丈夫だよー疲れるから鳴くな鳴くなと、ゴワゴワする背中をさすりました。
ヒーターと加湿をしながら私もうつらうつら朝を迎えます。
今日も生きてる!!チュールをあげてみると、少しなめました。
1/1 ママー!赤ちゃんの猫ちゃん年を越したね!?そうだね!!(涙)
年末年始どこへも連れていけず7歳の息子には申し訳ないことをしました。
ペーストの栄養食をシリンジで流し込むと、仔猫はよたよた歩き出しました。
おしりから黄緑色の膿がたくさん出ていて、家中酷い匂いです。
膿がぼたぼた落ちるのでどこを歩いたかがわかりました。
翌日もおしりからの膿が酷い。トイレに入っても自力で尿が出せず、苦しそうに鳴いています。
1/4 フードを食べ始め、トイレに長いうんちがありました。
おしりが変形していて、毛が抜けます。
あきらめず、医療にかけたら頑張って生きてくれるのでは?
そう思ってはいましたが、仔猫が元気になればなるほど、その見た目は痛々しく酷いものとなっていきました。
1/6 朝晩のごはんを完食しました。初めてトイレにおしっこがありました。 正月休みが明けて、ダメでもともとと3軒目の病院へ。
肛門括約筋などが溶けて無くなり、腸が飛び出している。
でも、ここで初めて、手術をして助けようと言ってもらいました。
1/11 入院 し、1/17に皮膚移植と飛び出した腸をお腹の中で固定する手術をうけました。
写真は保護当時のものはありません。 なんとか生きて欲しい!そればかりで写真を撮っている余裕がありませんでした。 初めてカメラを向けたのは、手術が終わったあとの面会のときでした。(それが冒頭の写真です)
様々な検査をしても原因は不明のまま。
野生動物に噛まれたか?何かの事故に巻き込まれたか?分からず。
それでもとにかく、血液検査等の数値が落ち着き、もうすぐ退院できると言われたその直後、「今度は尿が出なくなった」と病院から報せが入りました。
急遽、尿道カテーテルを装着することになり、退院は延期。
この長い入院中、先生やスタッフさんにとても可愛がっていただいていて
皆さんユキちゃんと呼んでいたのでそのままユキと名付けました。
助けられないかもしれないと、この時まで名前は付けずにいたのです。
3/1 退院
よく食べ、よく眠り、元気に過ごすユキ。
私が仕事に行っている間(約8時間)は、カテーテルを解放しておくため、ユキはウンチもおしっこも両方垂れ流し状態。帰宅後のお世話が大変すぎて辛くなりました。
3/9 カテーテルを外してもらうも、 3/18に また尿が出なくなり再度入院。
陰茎が癒着しているため、これ以上の治療は町医者では無理。他県の大学病院での診察を勧められました。しかし、7歳の子供を連れてそんなに遠い病院まで行くのは無理と考え、かつてお手伝いをしていた市内の保護猫団体に相談。高度な手術の経験があるという、宮城県内の先生を紹介してもらいました。
小さな体で何度も手術をして、こんなに苦しい思いをさせるくらいなら、
あの朝、保護しなければ良かったのか。
あのまま静かに逝かせてあげれば良かったのか。
これは私のエゴなのか…日々の生活に疲弊して子供にあたってしまいました。
応援してくださる皆さんに感謝しながらも体力、精神が限界に。
保護猫団体の建物の前に立ちすくみ、「逃げ出したい、投げ出したい」と大声で泣きました。
3/20 退院。
やはりどこか、すきまから少しずつ尿が染み出ている。しばらく様子をみる。
3/29 また病院に行き、次の大手術までの短期的処置として簡易カテーテルをつけてもらいました。
4/7 お尻から腸が3センチほど出ていてビックリして病院へ駆け込みました。肛門を縫ってもらい、帰宅するも、 ユキはうんちを出せなくて苦しくて断末魔の叫び。可哀想だけどご飯の量を減らします。
4/9 抜糸するも、翌日にはまた腸が飛び出し、病院へ駆け込む。そのまま三度目の入院。
4/11 お腹の中で腸を固定する(糸で縫い付ける)手術をうけて翌日退院しました。
以降、腸が飛び出ることは無くなりましたが、
寝ている間もうんちが出てきてしまうので寝床が大変なことになります。
オムツも試しましたが、ユキが食いちぎってしまうので誤飲をふせぐためあきらめました。
うんちを拾い消毒する日々、ヘンゼルとグレーテルのよう。
4/30 紹介してもらった新たな病院へ
宮城県内でできる具体的な手術内容の説明を聞いて嬉しい反面、また麻酔をかけて大手術をうけて ユキの目が覚めなかったらどうしようと不安に押しつぶされそうになりました。
5/2 前の病院でつけてもらった簡易カテーテルが劣化して、おしっこが漏れ出てユキのお腹がびしゃびしゃに。
カテーテルをジップロックで包んでみたり、生理用ナプキンではさんでみましたがダメでした。
毎日お湯で流してよく乾かすしかない。ユキのお尻の皮膚は弱いので気を付けなければいけません。
5/20 新病院で大きな手術をうける
朝5時前に起きてエリザベスカラーとおしりを洗ってから朝日を浴びて一緒に遊びました。
神様お父さんおばあちゃんどうかユキを守って。
不安と、さみしさで涙が止まりませんでした。
めそめそしながら会社へ。
夕方、病院から手術は無事成功との報せ。
5/21 執刀医から電話をもらいました。後ろでユキの声がします。
本当に良かった(涙)
おしっこが染み出ていたのではなく包皮から出ていたことなど、先生に診ていただいていろいろな謎がとけました。
これが最後の手術になりますように。
家中掃除して子供を寝かしつけて夜10時、
ユキの居ない静かなリビングで久しぶりに食事をとりました。
私ももう歳だから、ユキを最後の家族にしようと心に決めました。
カラーをずっとつけることになっても、毎日うんこまみれでも、
足やお腹がおしっこでべちゃべちゃでも臭くても、楽しそうに暮らすユキ。
生きていて良かった!!と全身で私に伝えてくれているようです。
お日様の匂いに目を細め、うなりうなりボイルささみを食べ、ヘソ天で眠るユキ。
今日も生きていてくれてありがとう。
これまで、たくさんの方々にご支援いただきましたこと、心より御礼もうしあげます。
私ひとりではどうすることもできませんでした。
自分で保護すると決めたのに、治療費を捻出できないのは恥ずかしい事だとじゅうぶんに理解しています。
子供と二人きりの生活で、家計は大変苦しい状況です。
ユキはこれからも治療が必要になってくると思います。
私は食べなくてもボロを着ても必ずユキを助けてあげたい。
どうか力を貸してください。
よろしくお願いします。
令 和 7 年5 月 2 6 日
ユキの保護主、今野より
ユキちゃん記録写真(随時更新)
【2024年12月末】保護時の状態。お尻から尻尾にかけての皮膚がなく、筋肉もないため肛門と腸が飛び出しています。
【2025年1月中旬】皮膚再生とお腹の中で腸を縫い付けて固定する手術を受けました。費用は30万円でした。
【2025年2月~3月】退院して皮膚の再生を待つのみ、となる予定でしたが、すぐに尿道が癒着。再び開腹手術を受け、簡易措置として膀胱にバルーンカテーテルが付けられました。オシッコはカテーテルから垂れ流しです。
【2025年4月】
お尻の皮膚が再生してきました!が、今度はお腹に縫い付けたはずの腸が成長に合わせて伸び、また肛門から飛び出してきました。そのため4月10日、三度目の開腹手術を受け、お腹の中に腸を固定し直しました。
2度目の大手術
【 5月20日】
以下、執刀医からの手術内容と所見です。
ユキちゃんはおそらく交通事故のせいで、尿道断裂して尿が皮下に漏れ、肛門周囲が広範囲に壊死、糞尿排泄機能が大きく失われていました。現状は、膀胱からお腹に固定したカテーテルから尿垂れ流し、直腸脱出と便失禁状態で、食欲元気はありました。カテーテルは尿を排出するための短期間の応急処置なので、最終的には自己組織で尿排出経路を確保しなくてはなりません。開腹して尿道再建尿道口形成術を行うことになりました。残存尿道の状況が良ければ、今後自力排尿できる可能性はあるかもしれないです。前回の診察の膀胱造影で、少しだけ尿道を確認しました。詳しい術式は開腹して見て決定しようと、何パターンかは考えてました。同時に、開腹時に再度結腸固定をする予定です(一時的に直腸が引っ込む)。ただ肛門括約筋が消失してしまっているので直腸脱と便失禁は永久的です。20日。陰茎は完全に消失しており、その部分で狭窄してその小さい穴から、尿が出てました。尿カテーテルは挿入不可、尿は出ても数日で再度狭窄し、排尿不可となるため、手術としました。残存する尿道と包皮粘膜を恥骨下で縫合(尿道再建)しました。直腸脱予防のため結腸を腹壁に再固定しました。皮膚血流障害や感染など心配ですが、自力排尿は可能と思います。25日に退院予定です。 【※アニマルクラブ石巻さんのHPから抜粋しました】
初回の手術費30万円
この他にも検査、診察、急変などで請求書は既に16枚(2025年6月7日現在。医療費総額は76万8413円)。請求書の数はそのまま、保護主ママがユキちゃんを連れて、病院に駆け込んだ数です。